夏期講習-化学


概説

  • 多くの人が0〜3講座(理論分野+他の分野)を検討する。各講座の大まかなレベルは次のとおりである。
    • 理論(計算):化学特講I>化学の計算(映像)、化学総合研究>化学頻出問題>化学計算の重要ポイント
    • 無機:化学特講II>無機化学(映像)、化学総合研究>化学頻出問題>夏に極める無機化学
    • 有機:化学特講III、有機化学(映像)≫夏からの有機化学、天然有機物と高分子化合物
  • 理論は夏の間に応用力まで完成させてしまうべきだろう。
    • 前期の授業で理論は殆ど終わる。後期は無機や有機の勉強で忙しくなり、理論のためにまとまった時間を取るのが難しくなる。模試や学習済み教材の復習、過去問演習などを少しづつやるのが精一杯になる。勉強のメインはあくまでも無機有機になる。
    • 理論分野は理解力や思考力が問われるので、そう簡単に習得できない。直前期に焦っても中々身につかないし、ある程度のレベルに達してないと、9月以降に少しづつ行う勉強で力をつけていくこともできない。
    • 以上の理由で、理論は早いうちに取り組む方が良い。夏中に完成できずとも、完成に一歩でも近づけておく方が良い。また、無機・有機分野は理論分野の内容がベースになっており、理論の内容が習得できていれば、無機や有機の勉強も進めやすくなる。
  • 無機有機は後期で十分に扱う。夏は無理しなくて良い。
    • 但し、夏の間に後期の負担解消を図る方針や、夏と後期で反復して学習する方針はあり得るだろう。後期の授業&講師が信頼できない人、有機などの重要分野が苦手な人などは、夏のうちに手を打っておくのも一考。
    • 特に、有機後半分野(天然・高分子・生化学)は後期の終盤に扱われ、授業は駆け足になりがち&入試本番が近く復習に当てられる期間が短い&冬期講習にこの分野を手厚くフォローする講座がない。一発で吸収しきる自信のない人は夏のうちに一度手を打っておくべき。
    • 無機有機は知識分野の色が強く即効性が強い。理論分野の学習が重くてなかなか進まないなら、一度無機有機に進んでみた方が見えてくるものがある。ろくに理解もできず理論ばかりに時間をかけていると、夏の時間を台無しにしかねない。
  • 石川先生の映像講座は理解を重視したややハイレベルなものである(特に有機)。パンフでは初心者でも大丈夫そうに紹介されているが要注意。
  • 文系には『センター化学基礎』か映像講座の検討を推奨。

センター対策講座(LIVE・映像)

センター化学基礎
  • 2日間講座。高1、高2生も受講可能。映像講座なら高田先生が担当。文系用のセンター対策の講義を行う。


二次・私大対策講座

化学計算の重要ポイント
  • テキスト作成者は所先生。担当も所先生が多い。
  • 化学の理論、計算問題が苦手な人向け。特に現役生など。ある程度できるなら検討外だろう。
  • 所先生は板書授業だが全て書いている時間がなく、大事なことはテキストにマーカーを引く形になる。あと、「tokoroの公式(tokoro's formula)」を伝授してもらえる。
  • 時間が足りず、自習扱いになる問題が結構ある("*"が付いている)。

化学頻出問題
  • テキスト作成者は白井先生。別冊で解答・解説集付。
  • 理論と無機を中心に頻出の計算問題を扱う。多量の小問演習を通して基本的な解法を網羅し、標準的な問題を確実に解けるようにする講座である。
  • 基本演習、総合演習を合わせて50問以上の大量の問題をざっと扱う。全体的に難易度は標準。一通り化学を真面目に勉強した人には良いまとめになる。
  • 授業は分野毎に、「基本事項の説明をさらっとした後、直ちにその分野における何問かの基本演習を解説し、まとめとして総合演習に取り組む」という流れ。
  • 白井先生だと講座の特徴がハマる。プリントは基本演習の問題と解説がセットになっており、別解も豊富。特に理論計算の所で頻繁に別解を示してくださる。上級者向けの解法は授業では扱わないこともあるが、プリントには詳しく載っている。実力が付いてきたら取り組むと良い。
  • 2013年度までは全範囲を扱った(1日目:理論計算、2日目:無機化学、3日目:有機前半、4日目:有機後半)が、2014年度からは、理論と無機化学だけになった。

化学総合研究
  • 主に嶋田先生と仲森先生が担当。
  • 過年度3年分の中から特に重要な問題をピックアップし、それを演習問題として授業で扱う。
  • 補充問題まで含めると理論と無機の必須分野はカバーできる(全範囲網羅とはいかないが、重要な問題は一通り扱う。但し無機は知識問題が多め。)。有機化学は扱わない。
  • 『化学特講』が目立つので受けている人はかなり少ない。

夏に極める無機化学(16〜)
  • 無機化学の基本事項を解説する講座。関東作成。
  • 駿台としては珍しい、暗記に力点を置いたテキスト。0章.物質の構造(自習)、1章.反応のしくみ、2章.無機物質の性質(テーマ別各論)、3章.無機物質の性質(元素別各論)、4章.付録、5章.自習問題。別冊に自習問題の解説がある。
  • ある程度の暗記量を前提とした講座なので、理論的に学んで暗記量を減らしたいなら、少し上のレベルの講座として映像の『無機化学』や『化学特講II』が良いだろう。無機化学をきちんと理解して攻略できる。
  • 2016年度に『無機化学の攻略』を廃止して、この講座と『特講II』が新しく作られた。こちらは初学者向けに内容を絞ったもので、テキストの解説は簡素で不親切、溶解度積が参考になる程。問題量も減っており、選定も悪い。
  • 山下先生や嶋田先生を筆頭に、多くの講師がテキストをボロクソに批判する。プリントベースの授業を行うため、『無機化学の攻略』級の高クォリティの授業が展開される。
  • 山下先生はプリント大量、毎日約1時間延長。ただ、後期『化学SPart1』の要項プリントと全て被る点には注意。逆に、通期で山下先生の担当がない人は、無機のプリントを手に入れることができる。
  • 高田先生は独特な進行。演習問題も順番通り扱わない。「予習はして来なくて良いから、しっかり聞いてその場で理解して欲しい。」的なことを言われる。
  • 嶋田先生は『化学特講III』同様に、プリントで内容説明(4枚程度/日)&テキストは演習問題のみを扱うスタイル。初日は10分、2日目以降は25分程度延長する。

夏からの有機化学
  • テキスト作成者は淵野先生。苦手な人向けに丁寧な授業をする講師が多く担当している。
  • 有機の前半分野(脂肪族・芳香族)を解説する講座。「夏休みから有機の勉強を始めるぞ!」という現役生向けに基礎の基礎から説明するため、授業にはついていきやすい。
  • 星本先生曰く神戸大レベルまでは対応しているとのこと。しかし、この講座は有機が完全にノータッチor超超苦手な人向けであり、殆どの高卒生には『化学特講III』や映像の『有機化学』など他の講座が良い。この講座はマルコフ則を発展で扱うなど、内容があまりにも基礎的すぎる。
  • ただ、夏期の『化学特講III』はあまり電子論的な解説をしないのに対し、こちらの講座は一部の先生からは駿台らしい電子論的な解説が聞ける。後期の担当講師次第では、こちらの超基礎的な講座で電子論に慣れておくのも一考。
  • この講座と『化学特講III』を合わせて取るのを勧める担任もいるが、間違いなくどちらかだけで良い。範囲がだだ被りなので、どこまで掘り下げるかの違いは多少あれど、似たような解説を聞くことになる。
  • 山下先生はプリント大量、毎日約1hの授業延長。それでも喋り足りない部分が多くあった(問題解説はプリントでかなり省いた)。なお、高卒生にとっては、山下先生から有機化学を1から学べる唯一の講座なので、締め切る可能性あり。但し、通期の『高3スーパー化学α』よりレベルを落としてあまり発展事項に踏み込まない授業をするので、有機化学がある程度できる人は止めた方が良いかもしれない。
  • 岡本先生の担当も人気があるが、解き方重視なので駿台らしさに欠ける。苦手意識の強い人向け。

天然有機物と高分子化合物
  • 片山先生作成。担当は片山先生と淵野先生が多い。
  • 有機の後半分野(天然・高分子・生化学)を解説する講座。前半分野の内容をある程度前提にする。
    • 片山先生曰く、「グルコースが何か分からなくても構いませんが、脂肪族の知識が無いのは困ります」。不安な人はヒドロキシ基やエステルを中心に官能基の性質や、幾何異性や光学異性の性質などを復習しておくと良い。
    • とはいえ有機は知識分野の色も強いので、授業についていけなくなることはまずない。「前半分野を復習しておくとなお良い」くらいの感覚の方が実情に近い。
  • テキスト+別冊の『付録&解答・解説集』が交付される。どちらも200ページ以上あり、解説が非常に詳しいが、初心者も使いやすいような配慮が感じられる。
    • テキストは平易な言葉遣いで、あまり複雑にならないように書かれている。項目分けも分かりやすく、全体的に内容のまとまりが非常に良い。レイアウトがスッキリしていて、全体像の把握もしやすい。
    • 授業は要項解説が中心。テキストの内容を確認しながら、補足事項などもつけてもらえる。演習問題は7題と少なめだが、付録の自習問題で基本のチェックは十分できる。解説はやや簡素(or不要?)だが、要項が構造的にシンプルで見やすいため、いざとなればそちらを参照。何度も読み込んで頭に入れて行くと良い。
    • 糖、油脂、高分子などは分子構造からして複雑で、物性や反応などが理解しづらい。また、アミノ酸の電離平衡、各種検出反応や塩析やけん化などは混乱しがちである。しかしこの講座を取れば、丸暗記に頼りがちな内容もきちんと理解し、整理しながらスッキリ学んでいける。
  • 多くの講師が授業内容をテキストに直接書き込むよう勧める。各自必要な筆記具を持って行くと良い。
    • 授業のメモがテキスト、ノート、プリント、その他etc.に分散すると、授業のつながりが辿れず、あとから復習できなくなる。授業中にきちんと理解し、テキスト上に整理していくように言われる。
    • 片山先生は重要事項をテキストに書き込み、演習問題の解答などは全てプリントを用いるスタイル。テキスト作成者&長年担当しているため、板書の字と滑舌は少々荒くとも、授業は無難なクォリティであった。
  • 昨年にこの分野を習得し損なった浪人生、夏段階でこの分野が未習の現役生、京大などこの分野の出題が頻出な大学の志望者などは、検討の優先度が高い。
    • 通期では有機後半分野は後期の終盤に扱われる。後期終講が近く授業は駆け足になりがちであり、入試本番が近く復習に当てられる期間も短い。一発で吸収しきる自信のない人は夏のうちに一度手を打っておく方が無難。
    • 冬期にこの分野を重点的に対策する講座は存在せず、直前期の『天然有機物と合成高分子化合物』は分厚いテキストを使った演習重点の授業であり、直前期の対策としては忙しい。不安なら夏の内に対策して基礎を固め、後期(必要ならば直前期)で問題に慣れる形を推奨する。


化学特講

30年来の歴史のある、駿台の名物講座。
駿台の特講の歴史はここから始まった。

化学特講I(計算問題)【HG】
  • 化学の本質的理解の上に成り立つ、数々の実戦的解法をまとめた講座。理論分野のハイレベルな演習と解法の習得に最適である。
    • 各解法は、本質的理解の上に成り立つので汎用性が高く、殆どの問題(典型問題は確実)に対応できる。また、発想に無理のないものばかりである。
    • 解法は試験本番で使いやすい実戦的なものばかりである。プロセスがシンプル明快なものや、フローチャート化されたものがほぼ全てを占める。
    • 講師の板書解説からは、効果的な図の書き方や、手早い計算処理の方法などが学び取れる。特に石川先生からは、実戦的な解説が聞ける。
  • 講座の趣旨は「計算問題の解き方のマスターを目指す」だが、「化学で登場する計算問題の全分野を覆っており、しかも難問まで解く力を付けさせるのが目的」なので、分量・レベルともに非常に高い。
    • 「かつて6日間講座だったものを無理やり4日間に縮めた(山下先生談)」ので、内容が膨大である。負担が大きいので、現役生や理論が大して得意でもない高卒生が「夏中に」完成させるなら、夏段階で他の教科はある程度できていることが条件だろう。
    • 授業の進行は非常に速く、教科書事項(やテキスト記載事項)の説明はほとんどないと考えるべき。テキストは自力で学習するのが基本スタンスになる。
    • 平衡量計算が全体的に山場である。特に3日目の酸・塩基平衡で行う[H]計算で、多くの人が一度躓く。(収支の見方が絡むのと、場合分けが多いのが理由)
  • いわゆる「洗練された解法」というのは自習では賄いにくいものなので、その意味においてはこの講座は非常に予備校らしい内容だと言える。他塾や宅浪など外部からの受講もあるようで、最終的に多くの枠が締め切りとなる。
  • 当然だが、基礎を学ぶ教材ではなく演習教材なので、やり残しを作っても後々の学習に支障が出るということはない。やればやるほど力がつく教材という位置付けになろう。
  • 長年に渡り高く評価されており、やり込めば確実に力が付く教材である。前期テキストが最優先だが、直前期(orそれ以降)まで重宝するので、この講座を検討する余力を残しておくと良い。

テキストについて。
  • 作成者は石川先生。
  • 要項・基本演習・演習問題・自習問題からなる。見通しよく整理されているため、勉強しやすい。
  • 要項に図説を交えて詳しく与えてあるのは「教科書事項の丁寧な解説」ではなく「扱う解法の導出や有用性、使い方についての解説」である。
    • どんなパターンの計算問題があり、何に気をつけ、どういう解き方をすれば良いかが理論的に示してある。説明の中では、全体を俯瞰したり、ある部分に注目したり、合理的に可能性を絞ったり、本質を突いたりする。
    • この思考過程についてこれない人が多い模様(自然科学を勉強する上で必須なのだが…)。こういった考え方に慣れていないと、あるいは理論分野の理解が十分で、なおかつある程度の演習経験や応用力がないと、テキストはうまく読みこなせない。
    • 中〜超上級者からすれば、非常に洗練された読みやすい解説になっている。テキストを参考書代わりに使い解き方の完全習得をすること。これこそが石川先生の願い。
  • 基本演習には難しいものも混在。演習問題は授業で扱う。自習問題は難度が高め。
    • 石川先生によると「難しい問題でも絶対にやっといて欲しいっていう問題は全部基本演習に入れときましたから、とりあえず基本演習と授業でやった演習問題を完璧にしてください。」とのこと。
    • 予習としては、要項で解法を理解し、演習問題を考えておくこと。基本演習も活用し、できれば解法をマスターしておくこと。
  • 前期の内容が頭に入っていれば、予習(基本演習&演習)はそこまで重くないはず。そういう人はテキストの熟読&問題の復習を何度もやりつつ、自習問題にも取り組むと良い。
  • 編集の際は、毎年演習問題の半数を、偶数年度に基本演習・自習問題の一部を最新入試問題に変更する。但し、収録問題の中心となる石川先生お気に入りの80・90年代の問題や定番頻出の石川オリジナル問題は変更しない。

担当講師について。
  • 授業はかなり速いので、見知った講師や自分のレベルに合った講師で取ると良い。
    • 考え方や授業の仕方は先生によってクセがあり、テキストと異なる解法を説明する先生もいる。校内生は前期の先生(浪人生は『Part2』の先生)で取ると無難だろう。
    • 授業時間が限られているため、講師によって(教科書事項や)テキスト事項の確認をどの程度やるかが大きく異なる。実戦的な解説に時間を割く講師もいる。
  • そもそもこの講座は応用力を伸ばすためのものである。基礎学力の有無を今一度チェックしてみよう。
    • 基礎力の足りない人が受けても担当講師によらずついて行けないし、そもそもテキストを上手く読みこなすことすら困難である。つまり、自習すらままならないので背伸びし過ぎは禁物。7月の段階で前期の復習が滞っているなら、無理せずそちらに徹するのも一考。
    • 学校の授業=用語解説・知識暗記中心の学習がベースになっている人は、ついていくのが大変かもしれない。化学をきちんと理解できている方が良い。
  • 以下に主な担当講師の授業の特徴などを列挙しておく。
  • 石川先生の授業は、実戦的な解き方の説明に時間を割く分、教科書事項やテキスト記載事項にはあまり詳しくは触れない。テキストのポイントを確認し、問題解説に移る。
    • 石川先生は「このテキストを既に2、3回は読んで来ていることが前提」と仰っている。予習としては理論分野の理解が十分なのは当然で、テキストを熟読し、基本演習や演習問題もできるだけ解いてある状態が望ましい。
    • 十分な学力に支えられた準備学習の徹底が要求されるので、これらが不十分な人は授業の理解が厳しいと思われ、表面的には理解できても後で使いこなせない可能性がある。苦手でなくとも前期の模試で理論分野に関して高い成績が取れていない人や、特に講師マニアは要注意。
    • 逆に、ある程度得意な人なら実力を最高レベルまで飛躍させることができるだろう。問題解説に比重が置かれるため、実力を効率よく伸ばせるだろう。また、石川先生の考え方に直接触れることになるため、テキストの解説も一段と読みやすくなり、理解が一層深まるだろう。なお、授業は毎日30~70分程度延長される。
    • 石川先生担当分はすぐ締め切る。石川先生は「LIVEが受けれないならオンデマンドを」と仰っており、石川先生に拘る場合は映像の『化学の計算』を勧める。
  • 山下先生の授業は、理論が得意とまでは言えないが、石川先生を受講したのと同じレベルに到達したい人には良い。
    • 大量のプリント(毎回10~15枚程度)には基本的な事項も記されており、特に夜の部では毎日1~1.5時間延長するため、講義中にも「ある程度は」触れられる。理論分野のうち構造論を除く全範囲をダイジェストで確認し、特に酸塩基・気体を手厚く講義する。
    • 授業は要項解説が多めで、演習問題は一部解説し切れない。受講者に要求される学力レベルは石川先生の講座よりも少し低くなるが、授業では最終的に高レベルまで踏み込んでいく。負担は大きくなるが、理論の学力に少し自信がなくても「頑張れば」モノにできる。
    • 夜の場合、遠方の人は帰宅時間と交通手段だけ注意しておこう。なお、京都南校担当分は通期の『高3スーパー化学Sα』受講者が殺到するため、高卒生は9時の予約でも取りづらい点に注意。また、配布プリントは師の『高2スーパー化学』と全く同じである。
  • 高田先生は、板書プリントを使ってある程度基本的な内容から説明する。
    • 石川先生の教え子なので、考え方などがよく似ている。情報量も石川先生や山下先生に匹敵する。頻出分野の解説は丁寧で、苦手な人にも分かりやすい。
    • プリントは通期と同じレイアウトで90ページ程に及ぶが、1枚1枚の密度が薄めなので、復習もあまり苦にならない。また、あまり延長しないため遠征もしやすい。
  • 星本先生は、若干粗さはあるが実戦的である。従って、どちらかというと得意な人向けである。
    • テキスト作成意図やどの時期にどの自習問題に取り組むべきか、また模試などで受験生が苦手としている箇所や、計算の手早い処理の方法などを教えてくれる。
    • また、テキストの解法を踏まえた上で、師がより実践的だと考える考え方や解法を随時プリント配布する。
  • 岡本先生は、解き方重視なので苦手な人向け。
    • 手書きの板書プリントを用いる。授業は「板書とテキストで重要事項をマーカーを使いながら確認→その§の演習問題解説」という流れ。
    • テキストで難しいところは具体例を挙げ、二元中継的に分かりやすく説明してくれる。そのため、理論があまり得意でなくても付いて行くことができる。
  • 白井先生は、問題解説よりも重要事項の説明を重視する。
    • テキストに掲載されていない基礎的な内容を中心に、日常的な例えを交えながら丁寧に説明する。
    • 演習問題は一般的解法、上級者向けの解法の順に解説する。初日から【準スーパーHG】(4.5時間/日)化する。
    • 理論があまり得意でなくても付いて行くことができる。但し上述の記述によると、講座の趣旨・レベルと大きくズレがあるようなので要注意。
計算が得意でないけれど化学力を鍛えたい人は、片山先生(手書きの板書プリント。計算問題のテクニック・重要事項の整理)、坂田先生(石川先生とやり方・考え方は同じ。基本事項から丁寧に扱う)、伊達先生(プリントが丁寧、計算問題は段階を踏んで進める)なども推奨。
医学部志望者は、上記の講師なら医系化学にも精通しているので、好きな講師を受ければ良い。迷ったら医系クラスの担当講師や、直前講習の医科系単科大学の講座の担当講師を選ぶと良い(岡本先生・星本先生・白井先生・山下先生など)。


化学特講II(無機化学)
  • テキスト作成者は細川先生→景安先生(16〜)。
  • テキストは2016年に全面改訂された。全体的に分量が甚だしく増え、内容もかなり充実した。350ページを超える分厚さであり、しっかりモノにすればどの大学でも無機分野では満点が狙えるだろう。
  • 内容としては理論的考察から入り、無機化学を網羅する。反応機構を理解して化学反応式を自分で立てられらようにすることに焦点が置かれている。
  • 丁寧で読みやすくて分かりやすいため、比較的万人受けすると思われる。無機はひたすら暗記だという認識を改めさせてくれる大変良質な教材である。
  • 校内生(『高3スーパー化学α』受講者を除く)は後期に無機を扱うので、夏期段階での優先度は低い。受験での重要度的にも、理論や有機に比べると優先度は低い。他の分野より巻き返しがしやすい分野でもある。
  • 京大受験者は、無機の重要性を考えると冬期の『京大化学』が良いだろう。

化学特講III(有機化学)【HG】
  • テキストは星本先生作成。
  • 電子論はあまり用いずに、有機の前半分野(脂肪族・芳香族)を解説する。他の特講と違って名前負けしており、基礎的な事項も多く扱ったり、講義中心で問題演習はあまりやらなかったりと、苦手な人も受講検討しやすい。但し分量が甚だしいので、初学者は検討しづらい。また、星本先生の通期授業とテキスト内容、説明内容から配布プリントまで殆ど被るので要注意。
  • テキストは異常な程分厚いが、市販の参考書を凌駕する詳しさで分からない時の辞書として機能する。収録問題量も豊富で、テキスト後半には完全な初心者向けの知識やトレーニングのページまである(講座レベルからしてさすがに余計なお世話、各自の参考書に任せれば良い)。欠点は索引がないことと誤植の多さ。なお、演習問題、自習問題の解答は講習の初日に貰える。
  • 分量に負けず準備学習を徹底できれば初心者でもしっかりついて行け、一通りこなすことができれば少なくとも有機の前半分野(脂肪族・芳香族)は完全攻略できるという声が多い。しかしこの場合、他科目の学習時間の相当量を犠牲にすることになるだろう。
  • テキスト作成者が20数年前までは北山(一)先生、2010年までは鎌田先生(東進へ移籍後も数年間はそのまま使用)だったため、元々のテキストでは電子論による系統的な解説を重視していたのだが、改訂後のテキストではあまり重視しなくなった。従って、電子論を用いて説明する多くの有名講師はあまり担当しない。(山下先生は担当を降りた)。但し星本先生は、大学受験においては入試問題への対応力を付けることが最重要なのであって深い知識や背景は必要不可欠というわけではないと考えているに過ぎず、σ結合や配向性を理解する時など便利なときは、電子論的な見方も交えて解説する。
  • 星本先生で受けると、テキスト作成時に頁数の都合上削除されてしまった情報や問題を頂ける。
  • 嶋田先生で受けると、初日は約20分、2日目以降は夜の講座だと21:30まで延長し、【準スーパーHG】化する(4.5コマ/日)。また、「非常に優れたテキストです」と賞賛しつつも自信の作成したプリント(10枚程度/日)で授業する。演習問題以外でテキストは一切使わない。更に、電子論を基礎から教えてもらえるので、初学でもテキストで混成軌道を自習しておけば難なく吸収できるだろう。また、「テキストの問題を最初からやろうとすると必ず挫折しますので、僕のプリントを読みながら例題だけをやって、それから苦手な所だけ自習問題をしてください。」とのこと。
  • 伊達先生はプリントを使い授業をする。基本的に「~という反応が起きます。では何故か」といった感じで教えてくださる。
  • テキストは極めて分厚いが、内容面では夏期の有機化学の講座の中では一番無難かもしれない。『夏からの有機化学』は初学の現役生向けのため超ド基礎から始まり、映像の『有機化学』は12コマという限られた時間で有機化学分野全てを見通しつつできる限り理解を深める講座で、初学者向きではないため。


大学別講座

夏期は理論・計算分野を、冬期は無機・有機分野を扱う。
高卒生は後期の範囲「酸化還元」「電気化学」「沈殿・錯イオン・分解反応」も含まれているので要注意。

東大化学
  • テキスト作成者は石川先生→鎌田先生→細川先生。北山(一)先生、仲森先生が担当。
  • 北山(一)先生が編集者をさり気なく批判していた(冬期の模擬テストの描図問題については、解答が複数出来てしまうため、それについてはボロカスに批判していた)。ただテキスト自体は過去に石川先生が作成したものをベースに作られているので良質である。
  • 夏期は理論、冬期は無機・有機を扱う。テストあり。

京大化学
  • テキスト作成者は石川先生。
  • 石川先生曰く「泳げない人をプールに落として泳ぎを身に付かせる講座」とのこと。
  • 化学がある程度得意なら『特講I』ではなくこちらで、京大特化の考え方を学んだり、独特な形式への対応力を培ったりするのもアリかと。問題量を通じて試験慣れもできる。
  • 夏期は特に頻出の「平衡」分野がメイン。ほぼ2日はこの分野の説明に割かれる。
  • まずは「基本過去問チェック」と「演習」から。「参考問題」は余力のある人にはオススメ。なお、参考問題の解説は校内生用の入試対策問題集のものと同じである。
  • テキストには50年近く前の入試問題も含まれており、石川先生がどれほど京大化学の研究をしているかが分かる。
  • 講義は3日間で4日目はテスト演習(自己採点)と解説授業が行われる。テストは受けない人もいるが、石川先生は「なるべく受けてくださいね」と勧めている。
第一章:構造の化学
第ニ章:状態の化学
第三章:溶液の化学
第四章:反応の化学
第五章:反応変化量計算
第六章:電気化学
第七章~第九章(無機、有機)までは冬期分野。
  • 全範囲網羅するなら冬期も取る必要がある。

名大化学(理論・計算問題の攻略)
  • 岡本先生が担当。
  • 名古屋校と浜松校に設置されている。
  • 分野が理論分野に絞られているため、『化学特講I』の代わりに取る人もいる。
  • 『名大化学』は冬期には設置がなく次は直前講習にしかない。

九大化学
  • 北山(一)先生が担当。
  • 広島校と福岡校に設置されている。


映像講座

★以下3つの講座は石川先生の映像講座。冬期にも設置されている。
  • 講座内容は『原点からの化学』を踏襲。テキストに加えて、『「授業用プリント」と「板書取れなかった時用プリント」の束』が交付される。テキスト構成は、授業1コマ(50分)に対して1講(1分野)が宛てがわれており全12講、各講の構成は『化学S』に似ている。
  • 授業は解説を「授業用プリント」に書き込むスタイル。しかし、板書内容が予め書かれた「板書取れなかった時用プリント」に書き込む方が、口頭説明にも対応しやすく、講義内容の理解に集中しやすくて良い。復習で理解の道筋(講義がどのような流れで展開されたか)を辿り直せるようにメモを取るのがコツである。
  • 石川先生担当なので極めて分かりやすいが、映像授業では延長時間に制限があるということで、授業の進行ペースが早め&時間が不足気味なので注意。延長で休み時間が短くなる(特に『有機化学』)。
  • なお、進行ペースが速いのは直前に3時間全く同じ内容でリハーサルをしているからでもある。本人は「僕は竹岡君みたいにぶっつけ本番で出来る人じゃないから。ほら、フリップの良い張り場所とか確かめときたいし。」と言っていたらしい。(竹岡先生談。勿論石川先生以外はリハーサル等はしない。)

化学の計算
  • 夏の『化学特講I』のダイジェスト版講座。2006年撮影。
  • 石川先生は「『特講I』が取れなかった場合はこの講座を受けてください。」と勧めている。短縮代用としても検討できるが、平衡論の説明が手薄。但しその他の項目についてはより丁寧な解説が行われ、受講の前提としての要求レベルも少し下がる。
  • テキストの質は良いものの『特講I』の完全下位互換にあたる。扱うテーマ、説明の与え方、特に収録問題のバラエティやレベルなど。更に撮影当時から問題が更新されておらず、練習しつつトレンドを押さえられないのも欠点。但し、普遍的な内容を学びとる上での支障は全く無い。
  • 通年授業の後期は無機と有機のみなので、冬期に理論の復習のために取ってみるのも良いだろう。
  • 疑問点は質問用紙を提出せずとも石川先生に直接聴きに行けば詳しく教えてくれる。

無機化学
  • 後期の『化学S』のダイジェスト版講座。2007年撮影。
  • 無機化学分野を理論的に学習し、完璧な「基礎力」を身につけるのが目標。映像だが『化学の計算』や『有機化学』とは違い、比較的に無理のないスケジュールで一通り学べるので中々の良講座。
  • 『夏に極める無機化学』以上に理論的に学んでいくため、丸暗記の負担がかなり減る。その分理解に重点が置かれるが、石川先生は本質を浮き彫りにする図説や抜群に上手い比喩を多用し、視聴覚的要素の強い魅(見)せる授業を展開するのでとてもわかりやすい。また理論分野の観点から理解・整理していくので見方が統一的であり、学習内容全体もコンパクトにまとまっているので(授業では深く展開する)、構造的な見通しも良い。話のストーリー性もはっきりしていて辿りやすい。
  • 授業では『グループ別各論』と『元素別各論』の2体系を説明する。後者には前者に位置付けきれなかった知識を拾う役割があるが、単に個々の知識を強調したり周辺知識をばらまいたりするだけの無味乾燥な授業とはならず、「酸化数直線」などの手法である程度まとめたものを提供したり比喩やエピソードなどで強烈に印象付けたりするので、丸暗記の負担がかなり減る。
  • なお『夏に極める無機化学』はある程度の暗記量を前提としているため、一から無理なく勉強したい初心者に向く。映像の『無機化学』は分野全体を理論で一般的に攻略するので、丸暗記の負担がかなり減るが、理論分野の学力が前提になるため少しレベルが上がる。

有機化学
  • 後期の『化学S』や、冬の『化学特講III』のダイジェスト版講座。2008年撮影。
  • 有機化学の本質を理解し、完璧な「基礎力」を身につけることが目標。僅か12コマで電子論を使って有機全範囲を一気に学び通す。比較的深い内容まで学べるが講義ペースが早く、極めて分かりやすいとはいえ説明が手薄になってる部分も結構あり、初学者が受講すると間違いなく爆死する
  • 一方で、ある程度有機を学んだ人が総復習する目的で受講すると効果は高い。もう一度全体を再確認しつつ、電子論を導入して更に理解を深めることができる。但し、即座に電子論に慣れて講義についていくには十分な予復習によるフォローが必要である。なお、有機を本気で極めるなら後期に電子論で学ぶか『楽しくしっかり学ぶ化学の授業ー有機化学』か、冬期の『化学特講III』が良いが、冬期のは時期の割に負担が非常に大きい講座なので検討には注意が必要である。
  • 通期化学受講者の多くは、後期に20コマ以上かけて有機を扱うので夏段階での対策優先度は高くない。しかし苦手や未習、入試での重要度なども考えて時期を前倒しして対策したいなら、有機の前半分野を本気でどうにかしたい人には『夏からの有機化学』を勧める。逆に、少しでもかじったことのある人には自習や『化学特講III』、あるいは後半分野の対策を推奨する。特に通期の有機後半分野は、駆け足の授業になりがち&時期的に復習に充てられる時間が少ないので、不安な人には『天然有機物と高分子化合物』を強く推奨する。前半から後半まである程度既習なら、映像の『有機化学』で全体的に理解を掘り下げ、先のステップへの準備をする選択肢もある。
  • 因みに「窒素沢山アルギニン」は石川先生渾身のギャグではなく、石川先生オススメの覚え方である。「テンテンH君」を連呼するのも御愛敬。おい、そこの君!この部分を何度も巻き戻すんじゃないよ!!
  • 途中(4日目2時間目)で1ヵ所板書ミスがある(テロップが入る)。それ以外にも板書ミスが多々見受けられるため、始めから「板書取れなかった時用プリント(ミス修正済み)」を使って授業を受けておくと良い。

  • 最終更新:2017-10-15 17:29:43

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